種(鳥類):チュウシャクシギ(Numenius phaeopus)
ジャーナル:鳥類研究
抽象的な:
渡り鳥の個体群レベルでの渡り経路と渡りのつながりを明らかにすることは、渡りにおける種内差異を明らかにするのに役立ちます。ユーラシア大陸に生息するチュウヒ(Numenius phaeopus)には5つの亜種が知られています。その中で最も最近記載された亜種はSsp. rogachevaeです。この亜種は中央シベリアで繁殖しますが、非繁殖地と渡り経路は依然として不明です。私たちは、3つの非繁殖地(オーストラリア東海岸のモートン湾、オーストラリア北西部のローバック湾、シンガポールのスンゲイ・ブロー湿地)と2つの渡り中継地(中国の崇明東灘と舞坡湿地)で捕獲されたチュウヒの渡りを追跡しました。私たちは、東アジア・オーストラリア・フライウェイ(EAAF)において、各亜種の既知の繁殖分布に基づき、繁殖地を特定し、標識鳥の亜種を推定しました。標識を付けた30羽のうち、6羽と21羽がそれぞれssp. rogachevaeとvariegatusの繁殖域で繁殖しました。1羽はssp. phaeopusの繁殖域とrogachevaeの繁殖域の推定遷移域で繁殖し、2羽はssp. rogachevaeとvariegatusの繁殖域の間の領域で繁殖しました。ssp. rogachevaeの繁殖域で繁殖した鳥は、非繁殖期をスマトラ島北部、シンガポール、東ジャワ、オーストラリア北西部で過ごし、渡りの途中で主に中国沿岸に立ち寄りました。調査した鳥のうち、phaeopus亜種の固有繁殖域で繁殖した鳥はいませんでした。これまでの研究では、rogachevae属のチュウヒは中央アジアフライウェイに沿って渡り、非繁殖期を西インド諸島と東アフリカで過ごすと予測されています。少なくとも一部のrogachevae属チュウヒワシはEAAFに沿って渡り、非繁殖期を東南アジアとオーストラリアで過ごすことが分かりました。亜種phaeopusはEAAF西部ではせいぜいまばらに分布している程度で、あるいは全く生息していない可能性もあります。
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https://doi.org/10.1016/j.avrs.2022.100011

