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オオコウモリ(Ia io)における季節をまたいだ個体の特化と集団の空間利用ニッチの変化の関連付け

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Zhiqiang Wang、Lixin Gong、Zhenglanyi Huang、Yang Geng、Wenjun Zhang、Man Si、Hui Wu、Jiang Feng、Tinglei Jiang 著

オオコウモリ(Ia io)における季節をまたいだ個体の特化と集団の空間利用ニッチの変化の関連付け

Zhiqiang Wang、Lixin Gong、Zhenglanyi Huang、Yang Geng、Wenjun Zhang、Man Si、Hui Wu、Jiang Feng、Tinglei Jiang 著

ジャーナル:運動生態学第11巻、論文番号:32(2023年)

種(コウモリ):オオコウモリ(Ia io)

抽象的な:

背景 動物集団のニッチ幅は、個体内と個体間のニッチ幅の両方から構成される。

変異(個体の特化)。どちらの要素も個体群ニッチ幅の変化を説明するのに用いることができ、これは食餌ニッチ次元研究において広く調査されてきた。しかし、季節による食料資源や環境要因の変化が、同一個体群内の個体および個体群の空間利用の変化にどのような影響を与えるかについては、ほとんど分かっていない。

方法:本研究では、マイクロGPSロガーを用いて、夏季と秋季におけるオオコウモリ(Ia io)の個体および個体群の空間利用を記録した。Ia ioをモデルとして、個体の空間ニッチ幅と空間的特化が、季節を跨いで個体群ニッチ幅(行動圏とコアエリアの面積)の変化にどのような影響を与えるかを調査した。さらに、個体の空間特化を促す要因についても検討した。

結果:昆虫資源が減少した秋には、I. ioの個体群行動圏と中心面積は拡大しなかった。さらに、I. ioは2つの季節で異なる特化戦略を示した。夏季には個体の空間特化が高く、秋季には個体の特化は低いものの個体のニッチ幅が広かった。このトレードオフは、個体群の空間ニッチ幅の季節をまたいだ動的安定性を維持し、食料資源や環境要因の変化に対する個体群の反応を促進する可能性がある。

結論:食性と同様に、集団の空間的ニッチ幅も個体のニッチ幅と個体の特化の組み合わせによって決定される可能性がある。本研究は、空間的側面からニッチ幅の進化に関する新たな知見を提供する。

キーワード:コウモリ、個体の特化、ニッチ進化、資源の変化、空間生態学

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https://doi.org/10.1186/s40462-023-00394-1